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鳩山が参りました。




“象徴としての天皇陛下の前では全ての人が同等である。したがって、陛下に申し上げる場合、人名にさまとかさんとかの敬称をつけない。総理大臣であろうが誰であろうがすべて姓だけで呼ぶ。「大平が参りました」、「入江が申しております」というように。これでよいのだけれども、侍従が総理大臣や侍従長を呼び捨てにしているようで何とも気がひける。そこで「総理大臣が参りました」、「侍従長が申しております」というように肩書きで申し上げると総理大臣や侍従長にも敬意を表していることになり、まことに具合がいい。こういうとき肩書きは便利なものである。”
                 角田素文 『宮中侍従物語』入江相政編

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 今月14日に来日する次期国家主席との観測もされる習近平副主席と天皇陛下との会見が内規による一か月前の申請を特例的にまげて実現されることについてマス・メディアは大勢で批判的だ。
 羽毛田宮内庁長官も“「陛下の国際親善活動は、国の大小や政治的重要性とは別次元で行われてきた。(特例扱いは)二度とあってほしくない」”と述べている。

 天皇の政治利用ではないかという指摘は、そもそも天皇が政治的存在以外のなにものでもないので、云々することが馬鹿らしい。
 胡錦濤主席が98年の副主席時代に天皇陛下と会見したことのつり合いや小沢民主党幹事長の訪中の返礼という意味合いなどがあるのだろうけれど、政治的に天皇陛下との会見の慣例を破ることは適当かには疑問がある。
 天皇と言う儀典上の最上位者を持ち出す、それも特例でというのは大きすぎるカードをきることに思えるし、建前であると分かっていても「国の大きさ等」とは関係のない次元で天皇は動くということの説得力を傷つけることになるだろう。
 
 敬称をつけないのは国内事であるだろうが、今回の特例扱いは天皇の一君万民的な平等性の持つイメージを落とすことにもなりかねない。
 正に慣例で続いてきた天皇というあり方で、慣例を破ることにもう少し慎重であってしかるべきだと感じる。
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by sleepless_night | 2009-12-12 21:49 | メディア