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激震マスメディア~テレビ・新聞の未来~、広瀬道貞75歳の今。その2

激震 マスメディア~テレビ・新聞の未来~、広瀬道貞75歳の今。の続き

司会2:「視聴者の声」
司会:「危機感の強弱は別として、従来のマスメディアである新聞テレビがインターネット時代への対応と変革というものを迫られているということだけは事実ではないかと思います。では、どんな模索が始まっているのか、アメリカ、日本の事例を」

映像:NYT部数の低下のウェブサイト刷新、膨大な情報の提供。有料化。日経電子新聞。グループ会社から映像も。関連記事も登録用語で自動集積。デジタル分野で収益確保に社運、複合メディアでないと生きてゆけない。NHKの有料アーカイブ。無料の第2日テレ、月間アクセス500万、独自番組、テレビとネットで求められるのが違う、時間帯がない、テレビはもう出口の一つ。

司会「新聞テレビがインターネット時代に対応しようと様々な動きが分かった。新聞やテレビのネット対応ではたしてどこまで視聴者、新聞の読者をつなぎとめるとお考えか」
内山「新聞の場合は新聞離れと言う深刻な状況が起きている。これは厳しく受け止めなくてはならない。ただ、救われるのは新聞の信頼度。日本の場合病院と新聞ならんでほとんどトップ。アメリカでは軍隊が1位新聞が2位。そういう違いがあって、新聞にたいする信頼度が高いうちに、よりこれを高める努力をしなければ新聞離れは加速するという意味で深刻に受け止めていると。」
司会:「電子版への展開というのはどう見ているか」
内山:「電子版は既に、僕は、日系の電子版は、今年は電子新聞元年という位置づけをしている。これは広がっていくでしょう。読売の場合も電子新聞まで言っていないけれど、お医者さん情報などのインターネット、課金してやっている。地方の新聞社も、山形新聞とか北日本新聞等等14社くらいがすでに実行し始めている。」
司会:「これはうまくいくと考えているか」
内山:「短期的には収益は上がっていない。赤字です。長期的には電子媒体とペーパーとはうまく融合できると、僕は考えています。」
司会:「テレビの方もいろいろ努力しているとVTRでもあったが、こうした取り組みがどこまでうまくいくと考えるか」
広瀬:「テレビの経営から行きまして、スポンサーのCM出稿だけに頼れなくなってきたなというのを今考えたわけですね。そして例えば、放送以外にもDVDを売るとか、映画作りに入るとか、あるいはショッピング番組とかいろんな工夫もしています。そのなかでもネットとの協力と言うのは大変大きなものでNHKが始めたオンディマンドもそうですし、あるいは民放各社でネットによる通信をはじめまして、たとえばオリンピックの映像を無料で送って、広告収入をみんなで分けると言うことをやっております。しかしまだ、ネットを通じての放送局のいろんな企画というのは大成功というのはまだないですね。」
司会:「なかなかうまくいかない理由等のはどのあたり」
広瀬:「それは、今の一つは、テレビが非常にしっかりした番組を送っていて、ニュースもあり、バラエティもありドラマもあり、スポーツもあるという具合で、総合編成等のが非常にうまくいっているということですね。それから、その大変高い有料の映画などを買ってきて、それをやる通信系の配信会社があるならば、相当そういうところと競争しなくちゃいけないけれど、いまのところそういうのもない。映画もテレビ局が相当のものまで無料で出していく。それと有料の通信と競争していくという状況にまでいっていな。テレビが圧倒的に強いと思っております
今井「テレビと言う端末としての機能とそこにのっかっているコンテンツを含めて番組を含めてテレビって一言で言いますけれど、私は乗っかっていく番組、情報の信頼性、質の良さというのは一つあって、これはもう一生懸命我々努力して高めていく必要があるし、テレビを見てくださる人たちの信頼を確保しなくちゃいけない。同時にもう一つ、端末としてのテレビ、この画面を最大限に活用していく、そこには当然インターネットを上手く活用していくというのが必要だし、それは先ほどのビデオで紹介したNHKオンディマンドですね、まだまだひよっこみたいなところがありますが、これからどんどん機能を改善していくし、視聴者のみなさんの反応の出方と言うのは先ほど40代の人たちのテレビ離れの話がされていたが、普段テレビを見る暇のない人が日曜日休日にまとめ買いして何時間もまじめな番組を見てくださる。そういうのも見えてきて、私はテレビの本来の役割と通信を上手く組み合わせたいろんなサービスがまだまだできると思っている。」
内山:「新聞もテレビもつぶれたところがないから。一般的には危機感がちょっと薄いんですよ。そういう面は僕はあると思う。別につぶれてほしい社があるというのではなく。もっと危機感をもつべき」
司会「新聞テレビのネットへの進出がなかなかビジネスとして採算がとれるものにならない理由は」
川上:「ネット側から意見を言わせてもらうと、構造的に今やっているテレビと新聞との違いがあって、テレビっていうのは電波が限られていて、それが割り当てられているし、新聞に関しては宅配制度というのがあって、すでにコンテンツを乗っけたらユーザーに届く環境がある。ところがネットにおいては、そこのコンテンツをユーザーに乗っける部分を握っている会社がグーグルなんですね、そしてアマゾンさんは電子書籍では今キンドルとか出されていますけれど、そうすると電子の世界でそれを届けるのはキンドルという会社になってしまいます。で、そこの部分と言うのが、ちゃんと届ける方法と言うのが、メディアもネットでも持たないといくらネットに移行したところで、結局、ビジネスサイズが、まず、グーグルですとかアマゾンですとか、外国に持って行かれるわけです。だからもし、ネット時代に移行したとしてもビジネスのサイズと言うのは小さくなるはずなんですよ。そして、それ以前の問題として、ネット上で今までと同じような、トラフィック自体が集められていないわけです、ユーザーリーチが、もうそこが解決しない限り、これはやっぱりネットが大きくなればなるほど、どんどん厳しくなっていくなと思う。」
佐々木:「基本的にインターネットの世界とマスメディアの世界とで最も何が違うかと言うと、ビジネス的にいうと、これは完全にコスト構造です。高い給料とたくさんのアセット、設備投資みたいのがあって、ものすごい損益分布が高くなってしまっている。たくさん金を稼がないと黒字にならないというのが基本的にマスメディア企業の問題なので、それがインターネットに進出してくると得られる利益がものすごく少ない、それは川上さんがおっしゃるようにグーグルとかアマゾンとか
に奪い取れるののがすごくたくさんあると思うんですけど、結果的に薄い利幅でもうけられるためにはコスト構造下げるしかない。ところが、旧来のマスメディア企業はコスト構造を下げられないというのが最大の問題ではないかと。で、ところが一方で、広告収益がここ数年どんどんどんどん低下していて、特に民放さんがそうですよね。テレビに入ってくるお金が減ってきている。本来ならばそこでコスト構造を見直さなければならないのに、結果的になにしているかというと、番組の制作コストを下げている。ということは結局、番組の質が下がるだけの話であって、悪循環となって番組を見れなくなる。という、どんどんどんどんその負のスパイラルの落ちていく可能性が非情の高い。この状況のなかで、新しくネットでもうけようと展開させても、旧来のメディア企業では担えない。と僕は思っています。」
司会「このコスト構造を見直さなければならないというご意見どう思うか」
広瀬「正しいと思いますよ。先ほどアメリカの場合でもABCのニュース社が非常に苦しくなったというのがありましたね。」
司会:「ABCニュース社はですね、非常に苦しいわけではないけれども、将来を見越して今人員削減をしているということ」
広瀬:「その、アメリカの場合ネットワークがみんなニュース部門を別会社にしている。で、全体としては大変な黒字をあるんだけれども、ニュース部門がなかなか黒字にならない。私達は報道というのはテレビの本格的な部分であって、これをおろそかにするわけにはいかないと思っている。それで、去年今年と確かに制作費をカットしてきたことはあります、先ほど言った、契機によるところが大きいのですが、カットしてきました。それでも報道分野では人もお金も減らさずに頑張ってきている。それでまた、この3月などは、広告などが回復してきているのですが、そういう時期に入ってくるので、そしたらまたエンターテイメント系の予算を増やしていけばいいと思う。とにかく今がんばらなくちゃいかんのは、報道分野だなという気がしています。」
司会:「インターネット上で若い世代の新聞テレビ離れを防ぐ努力をどう見るか。これで十分か」
遠藤:「なんかすごく違和感がある。お話をうかがっていると、お気持ちはすごくよくわかるんですけれど、ただ従来の形、メディアの形にネットを接ぎ木する、そうしたらどうにかなるという考え方がどっかに残っているような気がする。そうじゃない、これは、さっき佐々木さんや川上さんがおっしゃっていたと思うのですが、新聞やテレビとネットと、どこが違うかと言って、根本的にコンテンツをユーザーに提供するという意味では変わらないわけですよね。だから、新聞は新聞、テレビはテレビ、ネットはネットと分ける根拠というのが実は非常に薄い。つまり、今ある技術、様々な技術を組み合わせてユーザーに対して最も、ユーザーにとって利益になる情報、これを提供するのが正にマスメディアというか、メディアの役割じゃないか。にもかかわらず、現状はしばしばビジネスモデルの方の話になってしまって、収益は上がりますか、と。これは勝手な市民の目線ですけれど、そうすると、別にテレビ局がつぶれても新聞社がつぶれても、私構わないよ、とおもうんですね。欲しいのは情報なんです。」


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by sleepless_night | 2010-03-28 10:15
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